
少林寺流の継承者
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出典元:
『空手道 少林寺流命名五十周年記念誌(仲里常延 編著)』
(発行日:2005年3月13日、発行者:仲里常延)
仲里常延先生と元澤勇夫先生
少林寺流の仲里常延先生は、喜屋武朝徳先生から授けられた型を生涯無修正主義を貫き【沖縄県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」保持者】として2000年9月に認定された先生です。
拳心館の元澤勇夫先生は、仲里常延先生に師事していたことから、上記系譜の継承者に載っており、本土で広まった他の少林寺流と区別し、源流に立ち返るべく、拳心館の流派名に「沖縄少林寺流」という名称を掲げました。
仲里常延先生は2010/9/7に、元澤勇夫先生は2024/1/28に亡くなられました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
少林寺流の型・特徴
1. アーナンクーの型
少林寺流のみが継承している型で、1925年(大正14年)喜屋武朝徳先生が台湾へ武者修行で「あんぎゃ」なされた時、現地の達人より伝授された型で、手刀受け、双手受け、連続突き、猿臂等の形(技)が含まれ、最初 に教授される型である。
2. ワンシューの型
独特の手刀受けの形(技)、内受け、肩車の投げ技が含まれている型である。
3. ナイファンチの型
丹田に力を入れ、裸馬に乗った姿勢で両太ももを締めながら行う。形(技)に変化は少ないが、特に下半身を鍛える方がある。
4. セーサンの型
特に前半では腹式呼吸を意識して行い(肩甲骨を下げ)、呼吸と攻防の密接な関係を体得する。裏拳打ちや忍び足での前蹴り等の形(技)が含まれ時間をかけて鍛錬する型である。
5. パッサイの型
相手を誘い、掌底で顔面を攻撃、闇夜に忍び足で相手を探り位置を確認する 形(技)、足刀による関節への攻撃などの形(技)が含まれている型である。
6. ウーセーシーの型
手刀受け、背刀受け、連続貫手、羽交い締めへの攻防、双手受けから双手突きなどの形(技)が含まれている型である。
7. チントーの型
二段跳び蹴り、鶴の岩立ち(転身後の蹴り技)など高度な形(技)が含まれている型である。
8. クーサンクーの型
特に、「空手に先手なし」の理念を最初の形(技)で表現する。足刀横蹴りが随所にある。総仕上げの型で、五段以上を取得したものに伝授される型である。
9. 徳嶺の棍(八重山徳嶺ぬ棍)
少林寺流のみが 継承している型で、棒の長さは六尺。連続受け攻撃、貫技や突き技を多用する型である。